作/演出 桜井大造
1999年 6月東京南千住
夜だった。遠く一揆・逃散の荷車の音が聞こえる夜だった。
球形のキャンプ地では、いくつの携帯用の夜が集い、競い合って記憶を鳴らしていた・・・・・
どうやら「痛み」は消えることだないようだ。大きな世界の「痛み」は、小さな世界に住む私らの皮膚に感受されて、夜、それぞれの、「痛み」を脳に伝える。おそらく、この「痛み」に抗うことはできない。すでに、「痛み」は私らのものである。
「痛み」とは「記憶」の原石である。時間の配列には従わない、いくつの「痛み」が、ぶつかりあい、こすれあいながら、「記憶」を研く。
こうして、夜、私らは「記憶」のなかに抱えられる。
Exodusとは、旧約聖書の「出エジプト記」のことだ。ボブ・マーリーにも同名のアルバムがある。救済の希求に、いずれも、「神」が介在する。
この芝居の「出ポン」には、「痛み」が介在するだろう。「痛み」からの脱出ではない。その意味で救済は予定されていない。
野戦の月約2年ぶりの新作公演。新たな木製特設ドームテントでの公演。テント設計は遠藤弘貴、劇団メンバーによって製作された。
役者・ばらちづこ 香乃カノ子 豊福教子 伊井嗣晴 伊東六八 甲斐靖 高野信 桜井大造 清水浩一郎 根岸良一 リュウセイオー龍 沙蘭(サラン) 南(ナム)
楽士・大熊亘坂本弘道 木暮みわ
舞台監督・村重勇史
照明・ソライロヤ
音効・新井輝久
衣装・豊福教子
舞台・中山幸雄 田中明 シュウブン 長友裕子
制作・押切珠喜 水畑夏子 山内淳 古崎くるみ 伊東六八 竹本幹
音楽・大熊亘 小間慶大 桜井芳樹 関島岳郎 久下恵生 中尾勘二 西村卓也 吉野繁 川口義之 坂本弘道