「汎やぽにあ民話–フクビキビクニ譚」牡鹿石巻版

作●演出 桜井大造
2011年
9/21(水) 牧山市民の森 第二駐車場
9/22(木) 阿部喜一様宅 庭    
9/24(土) JAいしのまき渡波支店横 空き地
9/25(日) 石巻旧牡鹿公民館 駐車場

演員:ばらちづこ 森美音子 つくしのりこ 阿花女 許雅紅 武内理恵 志衣めぐみ リュウセイオー龍 瓜啓史 ロビン 渡辺薫 濱村篤 桜井大造 (牡鹿石巻版のみ)台湾海筆子
照明:2PAC 
音効:新井輝久
衣裳:裸の鋳型
宣伝美術:春山えみ
通信:濱村篤 水野慶子 
印刷:制作室クラーロ
翻訳:李彦
後見:中山幸雄 遠藤 弘貴 伊井嗣晴 崔真碩 太田なおり 阿久津陽子 
制作:野戦之月制作部 VCを支援する会・山形 押切珠喜
協働単位:台湾海筆子
協力:マダンの光 独火星 広島アビエルト 「山谷」制作上映委員会 クニタチ読書会 国立木乃久兵衛  中国北京「臨」テント劇連絡会 有限会社オサフネ制作所
音楽:野戦の月楽団 原田依幸 
生演奏:大熊ワタル楽隊(牡鹿石巻版のみ)

通路が壊れた。これが初めてというわけではない。
すこし慣れてきただけで、とりわけ快適な通路だったわけでもない。
だが、なんらかの通路がなければ墓に向かうことができない。
墓も通路も世の中がつくるもので、その世の中は墓とその通路を必要とする人間という生がつくるものだ。

道はある。迷うほどに道はある。 ただ、どの道もたよりなくあんまり寂しい。
途方にくれた道の途上に、一ときの吹きだまりができる。
ひとりひとりが携帯してきた夜がその洞窟をつくる。
そこでは、すこしずつ鳴りはじめやがて響きあう記憶の群れと、
それに呼応する絞り出された脂汗のような言葉とが、
頭も四肢もないトルソーのような民話をつくる。

「汎やぽにあ」は水平を抱きながら、身をよじる土地だ。
通路の復旧の手を一時休めて、
私らのテント劇は、この土地に再生・創生する民話と民話を架線し、
互いを引き寄せながら、この途上の一夜に立ちつくす。